
入試講評 理科
第一次試験 理科
問題 正答率(%) 受験者 合格者 【1】 問1 76.8 83.1 問2 66.7 75.8 問3 88.6 90.9 問4 33.0 45.5 【2】 問1 71.2 77.9 問2 86.3 92.2 問3 56.2 68.8 問4 90.1 100.0 問5 84.8 92.2 問6 86.7 98.7 問7 88.8 98.7 問8 67.0 87.0 【3】 問1 92.7 98.7 問2 95.7 98.1 問3 86.3 93.5 問4 46.4 55.8 問5 33.9 49.4 【4】 問1 82.4 89.6 問2 68.2 83.1 問3 45.9 63.6 問4 5.6 9.1 問5 5.6 6.5 【1】「川の水のはたらき」 【2】「水溶液の性質と中和」 【3】「植物の蒸散」 【4】「回路を流れる電流と電源の電圧との関係」
川の水のはたらきについての基本的な知識を問う問題である。問1~問3は基本的知識があればできるので、正答率もよく、受験者と合格者の差異も小さいが、問4は計算は難しくないが単位換算ができなかったようで、正答率も低く、受験者と合格者の差異が大きかった。
前半は、酸性の水溶液と金属の化学変化についての設問。後半は、中和反応の量的関係についての設問。基本的な内容であるので、正答率は高かった。問3は化学変化と物理変化の違いに気付くことがポイントである。また、後半の計算問題は、比例の計算ができれば難しくはない。問8は中和の実験に2倍の濃さの水溶液を用いれば、必要となる体積は半分であるという部分で正誤の差が表れた。
問1は実験方法に関する考察問題、問2~4は実験結果から類推する考察問題である。問1~3は全体に正答率がとても高かった。問4はD~Fの実験結果から総合的に考察しなければならない問題で、やや正答率が低く、受験者と合格者の差も目立った。問5は観察結果の文章から、水分を吸収しにくい環境で生育する植物であることを判断しなくてはならない。得点率は低く、受験者と合格者の差も大きかった。
与えられたグラフと回路図との関係を考察する問題である。電流の流れを水の流れに置き換えて考えるとよい。問1・問2は単に比例関係なのでよくできていた。問3は、BのグラフとDのグラフとの関係、問4は、AのグラフとDのグラフとの関係、問5は、AのグラフとBのグラフ、さらにDのグラフとの関係の意味を理解しなければならない。受験生にとっては、見慣れない問題なので、やや戸惑ったようで、特に、問4・問5の正答率は低かった。
第二次試験 理科
問題 正答率(%) 受験者 合格者 【1】 問1 56.7 73.9 問2 81.2 86.9 問3 79.1 87.1 問4 73.4 79.2 【2】 問1 83.8 90.7 問2 78.9 83.2 問3 88.1 94.5 問4 74.8 79.4 問5 43.0 57.7 問6 65.3 74.1 【3】 問1 89.6 95.9 問2 78.4 90.0 問3 50.8 57.7 問4 33.3 46.4 問5 86.2 96.2 問6 66.1 70.1 【4】 問1 83.8 95.2 問2 56.1 70.4 問3 56.1 68.4 問4 38.6 52.9 問5 41.9 57.7 【1】「二酸化炭素の性質」 【2】「太陽の動き」 【3】「血液の循環とはたらき」 【4】「浮力、ばね、動かっ車を含む力のつり合い」
二酸化炭素を題材とした、理科全般の基礎知識を問う出題である。ごく基本的な知識が要求される問2・問3は正答率が高かった。一方で、問1は実験の目的や実験装置の意味を正しく読み取らないと早とちりをしやすいため、合格者と受験者の得点率に大きな差が出た。また、問4は日頃の報道にも関心を持っているかどうかで差がついたといえる。身の回りの物事に対して、理科の観点からも好奇心を持つことを大切にしてほしい。
太陽の動きについての基本的な設問であるため、問5を除けば高い正答率であった。問5は冬至のときの南中高度と緯度の関係について、地軸の傾きを含めて考える設問である。受験生についてはそこが難しかったようだ。自分の視点が地球上の観測点にあるのか、地球の外の宇宙にあるのかを、きちんと区別することが解法のポイントであろう。
問1・問2は血液循環に関する知識問題である。いずれも正答率は非常に高かったが、やや詳細な知識である問2では受験者と合格者の得点率の差が開いた。問3・問4は、知識の柔軟さや正確さを問う問題である。昔の人の考え方をリード文と図で紹介し、現在の知識とどこが違っているかを見つけてもらった。正答率は低目で、なじみのない形式の図に自分の知識を当てはめることの難しさが示唆された。また、図示された間違いを見つける問3に対し、図示されていない間違いを見つける問4の難しさも浮き彫りとなった。問5は論述式であるが、知識問題で推論も容易であり、正答率は高かった。問6は選択肢の中から血液循環を支持する観察事実を選ぶ問題で、筋道だった考え方を問うものである。与えられた知識を鵜呑みにするだけではなく、実験結果と知識を関連づけたり、矛盾点を指摘したりする習慣も大切である。
問題文中に与えられた浮力に関する原理、動かっ車やばねに関する原理について科学的に思考し結論を導く力をみる問題である。問1・問2では円柱のおもりに浮力が働きばねの伸びは小さくなり、浮力の反作用で台はかりの示す値は大きくなる。このことを理解すれば容易に解答できる問題であり、正答率は高くなった。問3・問4は重さが無視できない動かっ車を含めて力のつり合いを考えるやや応用的な問題であった。問5は密度の異なる液体中の円柱のおもりの反作用を考えてグラフを描かねばならず、受験者と合格者の得点率に大きな差が出た。
第三次試験 理科
問題 正答率(%) 受験者 合格者 【1】 問1 74.0 89.6 問2 66.3 75.5 問3 19.5 28.1 問4 49.3 54.9 【2】 問1 87.2 92.7 問2 35.4 38.5 問3 43.0 54.7 問4 38.5 49.7 【3】 問1 57.7 70.8 問2 29.2 29.2 問3 35.4 43.8 問4 53.8 56.3 問5 26.7 36.1 問6 30.1 32.8 【4】 問1 80.8 93.8 問2 69.6 85.4 問3 16.7 30.2 問4 32.5 58.0 問5 9.7 24.0 【1】「大気の対流と天気」 【2】「初春の生物と環境」 【3】「レンズの性質」 【4】「物質の酸化」
問1・問2は天気に関する知識問題で、合格者と受験者の間の正答率の差が比較的大きく、知識の正確さが得点につながった。問3・問4は論理的な思考力を要する問題である。空気の対流とそれに伴う温度変化が天気を決める原因として重要であることをリード文で簡単に解説した上で、地球上に乾燥帯ができる理由や、南中時刻と気温のピークがずれる理由を考えてもらった。やはり正答率は低かったが、リード文で示した考え方をつかめた者は解答できたと思われる。日頃から物事の原因を論理的に考える習慣も大切である。
春先の生物と環境との関係を表した問題であるが、問1は植物と光との基本的な問題で良くできていた。問2は春先の鳥のさえずりの意味を問う問題であるが、予想に反して正答率は低かった。問3は比較的オーソドックスな問題であるが、全体的に正答率が低く、受験者と合格者との差も開いた。文章中のぼろぼろの羽から成虫で越冬していることが理解できれば答えられる問題である。問4は文章の内容からグラフを読み取る問題であり、合格者との正答率の差が出る結果となった。(1)は、光の量が季節的に変化することから落葉樹林であることが考えられれば答えられる問題である。(2)は、4月下旬前は光が十分さしこんでいるが、気温が低いことと、文中の花の蜜を利用していることを参考に答えを導けばよい。文章とグラフにないことから答えた内容のものも多かった。
問1・問3は、ろうそくの位置と像の位置あるいは大きさとの関係、問5は、生物分野の感覚器官で学習した内容についての設問で、比較的オーソドックスであったが、受験者と合格者とで正答率の差が開いた。問2は、とつレンズによる像の向きについての問いだが、誤答として、受験者、合格者ともに上下左右が逆になっている選択肢を単純に選んでしまったものが多かった。レンズの真上の位置からろうそくとその像を観察していることに注意してほしかった。問4・問6は作図を利用した応用力を試す設問である。あまり見たことのない設問のためか、受験者と合格者とで正答率にあまり開きはなかった。
問1、問2は表中の値の差から容易に求められる。そのため、受験者・合格者ともに高い正答率を示した。問3のグラフでは、酸素の量を固定しているので、用いる銅の質量を増やしても得られる酸化銅の質量は12.5g以上は増えない。単純な正比例のグラフを書いてくる受験生が多かった。問4、問5は受験者と合格者でかなりの差が見受けられた。この2問の考え方は基本的に同じである。与えられた条件がやや多い計算なので文章を正確に理解し、論理的にまとめる訓練をしておいて欲しい。
