令和5年5月

 3月に発行した『学友』の巻頭言で、新校舎の建設を予定している旨、お知らせしました。世田谷学園は、2026年度、令和8年度に創立125周年を迎えます。そこで、これまでの歴史に敬意と感謝を込め、そして未来に希望を託すため、「燈を伝える」と書いて「伝燈」というキャッチコピーのもと、周年記念事業を行いたいと考え、現在、その準備をしているところです。新校舎建設はその一環です。

 校地の西側に、124坪の新たな土地をすでに取得していて、そこに発心館とつなげる形で、地上4階建ての校舎を建設することになります。今日は、現状で決まっている新校舎の内容について紹介しておきたいと思います。
 今、Science,Technology,Engineering,Arts,MathematicsのSTEAM教育の重要性が叫ばれていますが、新校舎には、その一翼を担う技術室、美術室、さらにはICTラボやグローバル・ルームなどが入る予定です。したがって、君たちの知性をクリエイティブな知性へと高めることに大きく寄与する建物になると言えるかと思います。
 美術室は、現在もすでに図書館のすぐ上にあって、これが新校舎に移設されることになります。また、図書館の向かいにコンピューター教室がありますが、これが新校舎のICTラボに生まれ変わります。したがって、新校舎が完成すると、現在の美術室やコンピューター教室は、その役割を終えることになります。そこで、この2つの教室は、どちらも自習室の役割をする教室に改装する予定でいます。
 なお、新校舎建設にともなって、発心館の外にある高校生用の駐輪場はなくなってしまいますが、新校舎の1階部分に新しい駐輪場が設置されることになっています。
 現在、設計の詰めの段階に入っているところですが、着工はまだ先で来年7月を予定しています。工期は約1年なので、再来年の2025年、これは125周年の前年に当たりますが、その11月にある創立124周年記念式典の頃には使えるようになっているかと思います。先ほども話したように、新たに取得した土地に建設するので、この工事については、君たちの学校生活に大きな影響が出ないように進められるのではないかと思います。

 工事に関連して、もう一つお知らせがあります。実は新校舎の建設に先立って、校庭についても、これを現在の土から人工芝に変えたいと考えています。この工事は、今年の9月から始める予定です。校庭が完全に使えなくなることは避けたいので、半分ずつ工事をすることになります。来年の3月までかかる予定で、その間は、校庭が狭くなって、君たちに不便をかけてしまいますが、人工芝になれば、これまでよりも快適に校庭で身体を動かすことができるようになるので、しばらくの間、辛抱してもらいたいと思っています。

 先日、125周年記念ロゴ募集のお知らせがありましたが、君たちの力も借りながら、素晴らしい125周年になるように準備を進めていきたいと思っています。よろしくお願いします。

 最後になりますが、高校の軟式野球部が、5月3日に春の都大会3位決定戦で延長10回タイブレークの末、3対2で勝利し、この結果、5月27日から千葉県で開催される関東大会に出場することが決まりました。4年ぶり3度目の関東大会出場をうれしく思います。試合はまだ続きます。より大きな舞台となりますが、平常心のレベルを高く保って戦ってほしいと思っています。

(「朝礼」より)