令和3年3月

 一年の間には、学期が変わったり、年度が改まったり、時の流れの中でやってくる、いくつもの「節目」があります。
 今日は、令和2年度の修了式です。4月になれば、学年が一つ上がります。新しい後輩たちも入学してきます。君たちは今、一年の中でも特に大きな節目を迎えていると言えます。
 ところが、このせっかくやってくる節目を、ただ何となく迎えてしまうとしたら、それは実にもったいないことです。節目とは、一つの大きな区切りです。そこに意識的に心のエネルギーを使う。そうすることで、節目は、君たちの成長にとってとても重要な役割を果たすものとなります。

 竹は節があるから、しなやかで強いと言われます。竹の節は硬くて強く、ノコギリで切るのも容易ではありません。しかも、一つひとつの節に成長点があって、だから竹の成長は速いのだと言います。

 同じように、君たちの成長にも、強い節目が必要です。
 この学年をどのように過ごしてきたか、何を為し、何を為さなかったか、しっかりと振り返って「終わり」を迎える。そして、次に来る「始まり」に、これから何を為すべきか、思いを強くして臨む。強い思い、硬い意志が「今をひたすらに」生きる力を生みます。節目は君たちの誰にでもやってきます。その節目を自ら強くする。それを繰り返しながら生きていく人の成長とそうでない人の成長の差は、年月が経つにつれ、どんどん大きくなっていきます。
 節目があるからこそ、新鮮なやる気が生まれます。節目があるからこそ、失敗からも再起することができます。節目があるからこそ、人は大きく成長することができるのです。節目をそうした価値あるものにできるかどうか、それは他でもない自分自身にかかっているということを忘れないでください。

 今年度は、新型コロナウイルスの影響で、例年ならできて当たり前だったことがそうではなくなりました。来年度も、感染しないために、感染させないために、あらゆる場面で細心の注意をしていかなければなりません。しかし、現実とは心に抱いた思いによってつくり出されると言います。ならば、いたずらに不安や不満にとらわれるより、コロナ禍は受け入れて、その中でもあまたあるはずのできることに目を向けて、前向きな思いを強くすることが大切です。君たちの思いの主人は君たち自身なのです。

 学習のこと、部活のこと、あるいは生活習慣のこと・・・、一つひとつ今年度を振り返り、課題を明らかにして、きちんと締め括る。そして、令和3年度に決意も新たに前向きな気持ちで臨む。これから迎える春期休暇を、強い強い節目にしてください。
                                 (「修了式」式辞より)