令和3年10月

 本来6月に予定されながら、緊急事態宣言のために実施できなかった体育祭が、会場をとどろきアリーナから駒沢オリンピック公園運動場に代えて、明日、開催となります。
 体育祭は、生徒の発案によって2017年度から始まりました。それまでは、体育競技会という名称で、学園の校庭や修道館を使って、サッカー、バスケットボール、卓球、水泳などの競技で学年ごとのクラス対抗戦を行っていました。それを、生徒諸君が、生徒諸君の手によって、体育祭という行事にリニューアルしたのです。そこには、学年ごとではなく学校全体が一つになって盛り上がる行事、生徒の皆がもっと主体性、協働性を発揮できる行事にしたいんだという彼らの熱い思いがありました。
 今年の体育祭実行委員の生徒諸君も、先輩たちから引き継いだこの思いを大切にして、コロナ禍の中、感染予防対策を工夫して、中高合同での開催を目指してくれていました。明日は、会場からの要請もあり、密を防ぐため、中学生、高校生が午前、午後に分かれることになりますが、君たち一人ひとり、その思いはしっかり心に留めて、主人公として臨んでほしいと思います。

 そしてもう一つ、君たちが主人公として成長するための大きな舞台である獅子児祭も、本来予定されていた9月から、11月27日の土曜日、28日の日曜日へと延期になっています。
 昨年は、「今年だからこそできる新しい形に挑戦したい」と、獅子児祭実行委員の生徒諸君が自らオンライン開催を決め、多くの諸君が主体的、協働的に参加をしてくれました。
 それを引き継いだ今年の実行委員の諸君は、「自分たちの生き生きとした姿を見ていただきたい」と、オンライン開催と、感染予防対策を講じた上で予約制でお客様にもご来場いただくオフライン開催の、ハイブリッド開催を目指しています。9月26日にはプレイベントも実施してくれました。延期となったことを、獅子児祭をよりよいものするための時間が増えたと、前向きに捉えて準備を進めてくれていることを頼もしく思っています。
 今は感染者数も減っていますが、今後の状況によっては、オンライン開催のみとなってしまう、その可能性は残ってはいます。しかし、どのような状況の中でも、できることに目を向けて、というよりも、できることを開拓して、「今、ここ」に全力を尽くす、君たちのそのポジティブなエネルギーを大切にしてほしいと思います。

 コロナ禍の中、体育祭や獅子児祭を開催するためには、いくつもの制約を受け入れたり、自ら設けたりしなければなりません。しかし、できないことに目を向けるだけでは、生まれるのは不毛な不平や不満ばかりです。ポジティブなエネルギーを生み出すのは、他者や環境ではなく、自らの心次第なのだということを忘れないでください。

 どのようなことも、一所懸命やったことに失敗はありません。一所懸命にやらなかったことを失敗と言うのです。「随処(ずいしょ)に主(しゅ)と作(な)れば、立処皆真(りっしょみなしん)なり」という禅の言葉があります。いついかなるときも、主人公として力の限り生きる、そこに君たちの面目が躍如します。体育祭や獅子児祭、君たちにとって大切な2つのイベントが、君たちの青春を鮮やかに彩ることを願っています。
(「朝礼」より)