令和4年9月
今日から2学期が始まります。長い夏期休暇が終わって、再び授業が始まる一つの節目です。一人一人が気持ちをしっかりとつくって臨んでください。そして、もう一つ、気持ちをつくって臨んでほしいものがあります。今月、いよいよ開催される獅子児祭です。
「獅子児祭」というこの名が示すとおり、その主役、主人公は「旃檀林(せんだんりん)の獅子児」である君たちです。
コロナ禍一年目となった一昨年度は、実行委員の諸君が「今年だからこそできる新しい形に挑戦したい」と言って、自分たちでオンライン開催を決め、多種多様な動画コンテンツの公開、バーチャル化された校内でのアバターによる展示見学等々、準備に準備を重ねて、完成度の高いオンライン獅子児祭を創り上げてくれました。
昨年度は、「生き生きとした自分たちの姿を見ていただきたい」と、早くからオンラインとオフラインのハイブリッド開催を目指し、自分たちで感染対策も考えて、完全予約入れ替え制という形で実際にお客様に来場していただける獅子児祭を実現しました。緊急事態宣言のために、9月から11月に延期となりましたが、これを、よりよい獅子児祭を創り上げるための時間が増えたと前向きにとらえて、プレイベントを開催したり、攻玉社中学校高等学校とのコラボ企画を実現したり、できることを自分たちで開拓してくれたと思っています。
そして今年度は、ハイブリッドの形をさらに進化させて、オフラインについては、9月18日、19日の2日間をそれぞれ午前の部、午後の部に分けて、予約なしでお客様にご来場いただくということです。そのために、君たちも早くからひたすらに準備を進めてきたことと思います。
君たちが獅子児祭へ参加するその形は、実行委員としてであったり、クラスとしてであったり、部活としてであったり、有志としてであったり……、様々あります。しかし、どんな形の参加であれ、獅子児祭は、君たちがそれぞれに追究した“Think”を表現し、それを多くの方々に“Share”していただく大切な場です。“Share”していただくことによって、“Think”を追究し表現することの充実感、達成感は何倍にも増幅します。オフラインの企画でも、オンラインの企画でもそれは同じです。
茶の湯の世界に、「一期一会」という言葉があります。
お茶の席に臨んで、主人は道具、お茶、湯加減、さじ加減を吟味してお茶を立てる。場をつくる掛け軸や花にも気をつかう。客はその主人の心を受けて、お茶をいただく。主人も客も真剣な心遣いと挨拶をかわす。幾たび同じ主人が同じ客を招こうとも、この茶会は一生に一度、二度とはない、これが初めてであり最後なのだ。
「一期一会」には、そういう覚悟が込められています。
獅子児祭まで、あと2週間と少しです。自分たちのため、折角の休日にわざわざ来場してくださる方々のため、ぜひ「一期一会」の覚悟を強くして、感染対策を含めて、残りの準備を進めてほしいと思います。
この後、この夏に全国大会に出場した空手道部の報告があります。他の部活もそれぞれに平常心のレベル高く活動をしたと思います。それぞれの活躍をともに讃えたいと思います。
(「2学期始業式」式辞より)