平成31年1月

 平成31年、明けましておめでとうございます。

 今年は亥年、猪の年です。猪と言えば、「猪突猛進」という言葉があるように、どんな相手にもひるむことなく向かっていくというイメージがあります。そこで亥年は、「勇気」、「冒険」や「挑戦」の年と言われることもあります。

 昨年、ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑(ほんじょたすく)先生は、研究室の若い人たちに、優れた研究者になるための6つの「C」を説いています。その中の2つは「Courage勇気」と「Challenge挑戦」です。他の4つが何か、興味がある人は、自分で調べてみてほしいと思います。

 研究の道のりというものは平坦ではなく、当初の狙いが外れたり、失敗したりすることも少なくありません。その長い道のりの間には、この研究にどれだけの価値があるのか、あるいは重要性があるのか、自信が持てなくなることもあると言います。しかし、それでも未知の領域に向かって、勇気をもって「今、ここ」に挑戦していくという姿勢が、研究には欠かすことができません。その重要性を示す本庶先生の言葉があります。

 「研究のアイディアを単に思いつくこととその未知の可能性にかけて研究することには非常に大きな違いがある。もし、本当に自分がその可能性が高いと信じ、それを実証したいなら、その時点であらゆる努力を集中してその問題にとりかかるのである」。

 2学期の終業式で、脚下照顧、現在の心の足元を照らし顧みる、そして自らのあるべき姿を描いて、新しい年を迎えてほしい、そう話をしました。それは、内にもつかけがえのない価値を磨き、輝かせるために極めて重要なことです。

 ただし、あるべき姿を描くことと、その姿を実現するために行動することには大きな違いがあります。あるべき姿を描いたなら、それで終わりではなく、その姿を実現するために万難を排してあらゆる努力をする、自らが描いたあるべき姿に向かって、勇気を持って「今、ここ」に挑戦する、その実践が大切です。

 それは困難を伴うことかもしれません。もしそのために重い腰が上がらないのであれば、困難を小さく分割してみるよいと思います。あるべき姿を実現するためにやろうと思うことを分割して、小さなサブゴールをつくってみる。一つサブゴールを達成すれば、はずみがついて次のサブゴールへと向かう推進力も生まれます。小さなことを積み上げていく、それがとんでもないところへ行くただ一つの道です。

 6年生はいよいよ大学入試の本番がスタートします。大きな試練ではあります。しかし、「明日」をあきらめず、勇気を持って「今、ここ」に挑戦し続ける限り、ギリギリまで力は伸ばせます。君たちの健闘を切に願っています。