校長のおはなし
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令和2年5月

生徒諸君へのメッセージ

(期間限定で公開していた動画によるメッセージと同じ内容です。)

 

 緊急事態宣言の期限延長に伴い、学園の臨時休校も5月31日まで延長となりました。君たちが勉学にいそしんだり、走り回ったり、談笑したりする、校内に見られるはずの当たり前の光景を、まだしばらく見ることができません。学園の主人公である君たちが、校内に活気をもたらしてくれる、それがいかにありがたいことかと思わずにいられません。

 

 さて、報道ではよく「新型コロナウイルスとの戦い」という言葉を耳にします。確かに、このウイルスは、人類に甚大な被害を及ぼしています。今、まさに私たちは、私たちの命と健康を守るための戦いのまっただ中にあると言えます。

 しかし、このウイルスが身体の健康にとっての敵であるとしても、心の健康にとっての敵は別にいることを、私たちは知らなければなりません。

 では、その敵はどこにいるのか。それは他でもない、私たちの心の中です。たとえば、必要以上に不安や不満にとらわれ、その増殖を許すと、だんだんと心は蝕まれていきます。誰かに八つ当たりをしたり、反動で快楽をむさぼったり、そしてそのことで自己嫌悪におちいったりします。しかし、そんなときでも心を守ってくれる抗体というべきものが私たちにはあります。それは、今あるものに対する感謝です。心を「お陰様」、「ありがとう」という感謝で満たしていくと、心を蝕んでいたマイナスの感情は自然と小さくなっていきます。

 

 あるところに大きな家に住み、裕福な暮らしをしていた女性がいました。ところが、ご主人が経営していた会社が倒産したために、多くの家財を手放して、地方の小さな家に引っ越すことになります。女性は失意のどん底でした。しかし、幼い娘さんは違いました。小さな家の中で、勉強している姿をいつもお母さんが台所で見てくれていると喜び、家族が一緒に川の字になって眠れると言ってはしゃぎました。贅沢な生活が幸せだと思っていた女性は、その娘さんの姿を見て、今あるものに感謝をすることで得られる、彼女にとっての新しい幸せの形を見つけられたということです。

 コップの中に水が半分入っているとき、それをもう半分しかないと思うか、まだ半分あると思うか。もう半分しかないと思えば不満、まだ半分あると思えば感謝となります。誰の人生においても、困難を避けることはできません。しかし、その困難にどのように反応するかは、自分で選択することができます。

 今このときも、医療従事者の方々をはじめ、私たちを守るために懸命になってくださっている方々がいます。ぜひ、その方々に思いを馳せてみてください。そして、そのときに沸き起こってくるプラスの感情を大切にしてください。君たちの心のあり方は、君たち自身で決めることができるのです。

 

 最後に、相田みつをさんの「道」という詩を紹介します。よく味わってみてください。

 それでは、君たちが校内に活気をもたらしてくれる日を楽しみに待っています。