入試講評 国語

入試講評 国語

第一次試験 国語

問題

正答率(%)

受験者

合格者

完全

部分

完全

部分

【一】

問一

88.4

11.6

89.6

10.4

問二

76.8

23.2

79.2

20.8

問三

82.8

0.0

89.6

0.0

問四

33.9

0.0

51.9

0.0

問五

46.4

0.4

59.7

0.0

問六

82.0

0.0

87.0

0.0

問七

92.3

1.3

96.1

1.3

問八

81.1

0.0

90.9

0.0

問九

17.2

55.4

31.2

51.9

問十

24.0

59.2

35.1

53.2

【二】

問一

10.7

89.3

16.9

83.1

問二

5.2

91.8

9.1

90.9

問三

49.4

0.0

62.3

0.0

問四

24.5

1.7

37.7

2.6

問五

51.5

0.4

64.9

0.0

問六

3.4

15.0

7.8

23.4

問七

63.9

0.0

76.6

0.0

問八

41.2

0.0

57.1

0.0

問九

51.1

0.0

61.0

0.0

問十

1.7

49.8

2.6

53.2

 

 

【一】
 伊藤たかみ『ミカ!』より出題した。「ぼく」が「オトトイ」との触れあいの中で、コウジのこと、オトトイのこと、自分のことなど、その心情や考えの変化について読み解く力を問うた。
 問四では場面設定を全体から把握できるかの確認であったが、傍線部付近だけからの判断による解答が目立った。
 問五・問七は問十へと繋がる「涙」に関する問題であり、この話における涙の見分けがポイントとなる。
 問八・問九は悲しいことに対する考え方の変化が捉えられれば、難しくはないはずである。問九では指示内容を段階的に追っていけば正解にたどり着ける。
 総じて言えることは、文章中に直接登場しないミカやコウジといった人物も含めての全体的な場面把握ができるかどうかが、問題の正解率に繋がっている。

 

【二】
 本文は詩人の長田弘のエッセイに拠った。内容は「わたしたち」と「敵」の関係について、TVの「怪獣モノ」を例に考察を深めていくというもので、平易な語り口に対して抽象度の高い内容に戸惑った受験生が多かったようである。「敵」と「わたしたち」の関係は漠然と考えられているような単純な二項対立ではなく、むしろ「敵」は「わたしたち」の内部から恐怖・不安によって生み出され続けるものであるという論旨を読み取れたかどうかが合否の分かれ目となった。問十の全体のまとめでは、前述の「敵」の発生の構造に加えて、「敵」の存在なしでは「わたしたち」は自分たちの存在を実感することが出来ないという逆説的な構造の理解が求められていたが、どちらか一方のみの解答が散見された。〈感覚〉で読み流すのではなく、〈論理〉をもとに読む訓練を重ねたかどうかを見ることが今回の出題の大きな意図であった。

 


第二次試験 国語

問題

正答率(%)

受験者

合格者

完全

部分

完全

部分

【一】

問一

55.7

42.7

61.3

38.7

問二

55.2

43.3

63.1

36.6

問三

92.1

0.0

97.9

0.0

問四

67.6

0.0

71.8

0.0

問五

5.3

38.6

6.6

42.5

問六

59.9

0.0

64.5

0.0

問七

17.5

51.2

23.7

53.0

問八

52.0

38.8

61.0

34.5

問九 a

0.0

19.2

0.0

95.5

問九 b

0.2

38.8

0.3

54.4

【二】

問一

67.2

27.7

76.3

21.6

問二

87.6

0.0

90.2

0.0

問三

39.4

52.5

51.9

42.5

問四

40.9

51.0

46.3

48.4

問五

47.5

19.2

64.1

18.8

問六

64.6

0.0

73.9

0.0

問七

67.6

0.0

78.7

0.0

問八

58.9

0.0

66.2

0.0

問九

9.0

73.1

12.9

77.0

問十

8.7

65.8

10.5

72.1

 

 

【一】
 本文はジーン・ウルフの短編に拠った。翻訳であることに加えて、我々の日常とは違った状況が描かれ、事実レベルでの内容理解でつまづいた受験生もいたようだ。設問は、少年ビンと「別の子」の探り合うようなやりとりと、これを通じて成長するビンの姿を捉えることを中心としている。
 記述問題の解答で気になったのが、設問の指示に従っていない者が多かったこと。問五「その状況とあわせて」や、問七「それぞれに対するビンの思いをふまえて」、問九「具体的な状況をふまえて」については、その部分が解答のポイントにもなっているので、本文そのものだけでなく、設問もよく読んで、何が要求されているのかを正しく捉えてほしかった。

 

【二】
 出典は心理学者の諸富祥彦『孤独であるためのレッスン』(NHKブックス)より。本文内容は、人はみな必ず死ぬのだから、その事実から眼を背けず、死に至るまでの時間を意義あるものとして過ごすべきだというもの。正答率および解答内容を見る限り、受験生の多くはおおよその内容を理解できていたようである。合格者と不合格者の間で10%以上正答率に差があったのは問三、問五、問七。問三、五はそれぞれ解答が二つずつあるのだが、二つ目の答えを正解できるかどうかが分かれ目になったようだ。また、問七も本文及び選択肢を正確に読めていないと正解にたどり着けないので、やはり「読みの精度」が差を分けることになった。
対策としては、文章におけるキーワードを中心として、対比構造を掴むことが重要である。また、段落の意味内容を考えながら、論の展開に気を配りながら読解することを心がけたい。

 

 


第三次試験 国語

問題

正答率(%)

受験者

合格者

完全

部分

完全

部分

【一】

問一

10.9

87.5

14.6

85.4

問二

26.5

73.3

35.4

64.6

問三

51.8

37.9

66.7

29.2

問四

75.8

0.0

85.4

0.0

問五

93.0

0.0

92.7

0.0

問六

94.2

0.0

97.9

0.0

問七

76.6

10.0

88.5

7.3

問八

69.6

0.0

80.2

0.0

問九()

6.4

11.1

10.4

13.5

問九()

22.0

48.2

36.5

40.6

問九()

8.4

49.9

13.5

50.0

問十

1.7

87.4

3.1

93.8

【二】

問一

53.2

46.5

66.7

33.3

問二

65.2

32.6

71.9

26.0

問三

33.4

17.3

47.9

22.9

問四

20.6

46.0

34.4

41.7

問五

2.2

3.9

4.2

7.3

問六

34.0

0.0

43.8

0.0

問七

41.5

0.0

54.2

0.0

問八

37.9

0.0

43.8

0.0

問九

2.8

58.8

5.2

71.9

問十

40.8

0.0

43.8

0.0

 

 

【一】
 森浩美『夏を拾いに』の2場面から出題した。語り手(文弘)が自分の息子に昔話をする設定であり、家族の関わりや友情を深く考えさせられる作品である。ⅠとⅡの場面に分けたのは、父の本心を文弘が知ってからの心情変化(問十)や親子3人の会話から考察する親子関係の説明(問九)を核としたかったからである。また叙情性豊かに描かれた作品でもあるので、言語感覚をはかる設問(問一・二・三など)も多く配した。
 問九は、父親像は具体的に本文の中に登場するので答えやすかったように思える。文弘・母はせりふや行動の中から掴んだ上で、父を含めた親子関係での役割を考察しなくてはならなかったので、表面的に捉えた解答が目立った。
 問十は、心情の変化が何によって生まれたのかをつかむためにⅠとⅡの場面での比較をする。「父の本心を知る」という事象まではよく読めていたが、「父の本心を知る」ことによって、文弘に「どのような心情がわいた」のかまで説明する必要があった。

 

【二】
 岩波ジュニア新書に収められた村瀬学の著作からの出題であった。この新書シリーズはこれからの世界を担う若い世代へ向けてのメッセージとして刊行されている。
 出典となった新書は「ケイ」という少年と先生との応答形式で書かれており、「世界」の様々な捉え方が示されている。本文は精神的な成長を迎える中で「ケイ」に生じた不思議な認識に対する先生からの返答箇所である。この時「ケイ」は中学生ではあるが、年齢的は受験生と重なるだろう。出題意図としては、新しい世界認識を得て自分なりの知のあり方を模索する子供たちへの手掛かりを提示したいという思いもあった。
 問九が本文理解の中核をなす問題である。「つながり」が断たれて出現する「妙な感じ」がどんな意味を持つものなのかを整理することが本文のまとめにもつながる。総合的な記述力が求められ、配点も高く設定されていた。設問全体としては、抽象な思考力の有無が大きなポイントとなっている。

 


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