入試講評

平成30年度 中学入試講評

 

理科

理科1次 正答率・講評

問題 正答率(%)
受験者 合格者
【1】 問1 64.7 71.0
問2 53.4 56.8
問3 44.0 53.4
問4 92.8 93.8
【2】 問1 33.0 40.2
問2 58.6 69.3
問3 85.8 90.5
問4 78.5 79.5
問5 55.5 67.0
問6 41.9 48.9
【3】 問1 31.4 39.8
問2 59.2 64.8
問3 66.5 76.9
問4 30.5 28.0
問5 14.3 17.0
【4】 問1 37.7 43.6
問2 40.1 50.6
問3 7.6 13.1
問4 10.5 17.0
問5 2.6 3.4
【1】
気象(風の発生と吹き方)に関する問題。
 基本的に風は気温の差が生じることによって発生すること、さらに、低気圧の風の吹き方が理解できていることが大切。また、一般的な風の名称を問う問題を出題した。
 台風の定義を答える問題について、問題文中に「整数で答えよ」と記載があったが意外と見落としている生徒が多かった。また、風向風力計を設置する場合、例えば、百葉箱の設置の仕方同様に地面に設置しないことが考えられる。そして風向は風が吹いてくる方位であることが理解できているかが大切。最後に地域による風の名称については、ほとんどの受験生が理解していた。総括すると、問題文をしっかりと読むことが大切であったと言える。
【2】
 サンゴを題材に、群体や共生について考える問題。群体というテーマは小学生にはなじみが薄く、それゆえ問1の正答率は低調だったが、本文に書かれている情報をもとに想像してほしい。サンゴの群体は個体が集まっているだけで、「役割分担」しているわけではないので、問1(2)は(ウ)が誤りとなる。問3は褐虫藻が藻類だということを踏まえれば、光合成のことを思いつくのは難しくない。実際、良くできていた。問5の「白化」は近年ニュースでも出てくるので覚えておきたい用語。問6はやや細かい知識の問題だが、本文に「触手をもつ」という記述があることに気づければ解答に近づいただろう。
 30分という限られた試験時間で、問題の長い文章を読んで必要な情報をすばやく集めるのは簡単ではないのだが、ぜひ演習を積んでその力を養ってほしい。
【3】
酸化と還元に関する問題。
 食品添加物であるビタミンCやビタミンEが、酸化防止剤としてどのように食品に対してはたらいているか記してある文章を読んで酸化について考える。問3の理由は、密閉容器は酸素と食品が触れ合わないことであり、問4の理由は、低温では酸化反応が起きにくいということである。問2の解答である湿度や表面積について述べた解答は誤答となる。また、問5は、リンゴの表面に結合してしまった酸素をレモン汁に含まれているビタミンCが奪い取ることで、リンゴの表面が元に戻ることがポイントである。酸素がリンゴからビタミンCに移動したことを明記する必要がある。レモン汁の酸性という水溶液の性質がはたらいてリンゴの表面の色が変わるという誤答が多かった。
【4】
滑車と輪軸の計算問題。
 現実の世界でも利用されている道具であることを踏まえて、滑車と輪軸のそれぞれに重さを設定した上での計算問題とした。もともと苦手とする受験生も多い題材である上に更に設定を加えたため,正答率は大分低くなってしまった。「輪軸は小さな力で重い物を持ち上げるための道具であり,原理は天秤と同じであること」・「重さのある動滑車は荷物の重さが増えたのと同じであること」など,定性的に理解をした上で問題に取り組んでくれれば,今回の出題も多少計算が複雑になっただけの問題である。解法を覚えるのではなく,どういった現象が起きているのかを意識しながら理科の学習を進めてほしい。

理科2次 正答率・講評

問題 正答率(%)
受験者 合格者
【1】 問1 31.4 38.3
問2 67.1 76.3
問3 58.7 68.2
問4 20.0 25.5
問5 50.4 52.7
【2】 問1 94.8 96.4
問2 72.6 78.2
問3 84.2 89.8
問4 24.6 32.1
問5 20.5 27.7
【3】 問1 76.2 86.1
問2 88.2 92.9
問3 36.5 41.8
問4 77.0 86.9
問5 55.2 66.1
問6 15.1 20.1
【4】 問1 85.9 91.6
問2 16.7 23.4
問2 85.0 90.1
問3 67.0 73.8
問4 9.8 12.5
【1】
火山に関する基本問題。
 有珠山系火山の一部、昭和新山に関する問題であった。問題文中に有珠山の一部、粘性の強いマグマで広範囲に広がらない、白っぽい岩石、昭和に形成された、北側に洞爺湖がある。これらのヒントから昭和新山を導き出せるかを問題とした。中学受験で学習する中で有名な火山である昭和新山(北海道)・富士山(山梨・静岡県)・三原山(東京都)は火山の形状と合わせて場所も学習していて欲しかった。しかし、北海道の羊蹄山という誤答が比較的多かった。これは北海道の活火山からのヒントで、この火山名が出てきたと思われた。よく学習に取り組んできた印象であった。
 問4の岩石名は、密度が小さく白っぽいというヒントから流紋岩を問う問題であった。これは正答率が低かった。一方で、流紋岩を構成する鉱物の種類の問題については半数の受験生が正答していた。つまり、白っぽい鉱物は解答できても、白っぽい岩石はできない受験生が多かったように思える。鉱物と岩石は同時に考えることを今後覚えていて欲しい。
【2】
電流計と豆電球の明るさについての問題。
 問1~問3は電流計についての知識に関する問で、非常によく出来ていた。問4は、電流計に流れる電流の大きさを調べて、回路ごとに並べてみる必要があった。電池を並列にした回路図での誤答が目立った。問5はブラックボックスについての問。問題文をよく読んで、見えていない部分の回路を予想すればよい。問題の設定を見逃していて、導線のみでつないでいる誤答が目立った。問4や問5のように、「やや見慣れない回路や複雑な回路と出会っても、迷ったら基本に立ち返って考える」という科学で最も大切にしている姿勢を忘れずに学習を継続して欲しい。
【3】
いろいろな「濃度」をテーマとした問題である。
 前半は、普段使い慣れている「質量パーセント濃度」の問題である。オーソドックスな形で溶質や溶液の質量を問うた問1、問2は高い正答率であったが、溶液の密度を考慮する必要がある問3は、思考の段階が1つ増えるため、正答率が低かった。質量と体積の関係を落ち着いて求められるかがポイント。
 後半は、原子や分子の考え方を用いて、「新たな濃度」を考える問題。分子の質量比や、分子数の比は解き慣れている受験生も多かったと思われる。しかし、それを濃度として、単位体積あたりで比較する問6は正答率が低かった。また、「小数第2位を四捨五入にて小数第1位まで求めなさい。」という指示に従わず、分数のまま解答している受験生も多かった。
【4】
 植物の成長に関する実験考察問題。問1は基本問題でありよくできていた。問2は正答をすべて選ぶ形式だったため出来が悪かったが、落ち着いて考えれば取れる問題である。問3以降は、おそらく受験生にとっては初めて見る題材だが、問3と問4は図をよく見て考えれば導ける内容で、時間をかければ正答できただろう。問5は、先端部の光の当たらない側から下に移動した植物ホルモンが、芽生えの左側だけに作用して成長させることになる。「光源と逆の方向に曲がる」という意外な結果となるため、受験生にはなかなか難しい問題だったようだ。
 問題【1】~【3】までに時間を使いすぎると、この問題の最後までたどり着けなかったかもしれない。短い時間で問題文から必要な情報を読み解いてまとめる力を鍛え、臨んでほしい。

理科3次 正答率・講評

問題 正答率(%)
受験者 合格者
【1】 問1 21.8 35.5
問2 24.8 30.3
問3 56.4 53.9
問4 73.9 85.5
問5 27.3 38.2
問6 38.8 52.6
【2】 問1 70.3 84.9
問2 92.9 96.1
問3 63.0 78.9
問4 48.5 68.4
問5 77.9 84.2
問6 66.4 80.9
【3】 問1 83.0 90.8
問2 54.5 69.7
問3 72.1 81.6
問4 37.0 46.1
問5 5.3 7.0
問6 58.4 60.5
【4】 問1 53.3 69.7
問2 35.2 55.3
問3 29.7 53.9
問4 28.5 50.0
問5 8.8 16.4
問6 0.6 1.3
【1】
 太陽の日周・年周運動および南中時刻の問題で,学習した内容を正しく理解しているかを見る問題である。受験生にとっては,どれも基本的・標準的な問題である。問1,問2の得点率が低いのには驚いた。太陽の基本的な動きが理解されていないようである。太陽がどのように動いているのかをイメージできるようにするとよい。問6はよく出される計算問題なのでもう少しできていてもよいはずである。学習する上で大切なことは,学習すべき内容の本質をしっかりとらえて取り組むことが大切である。
【2】
炭素の循環と環境問題
 化石燃料の大量消費から発生する問題は、ニュースにも多く取り上げられ、一般的な知識の1つになっているので全体的に良く答えられていた。ただ、問3は量という用語に戸惑ったのか、他の問いと比較して正答率が低かった。Aの緑色植物が光合成で合成したものを利用して、B・Cの生物が生活していくことが理解できていれば解答できる。また、問4は、地球温暖化や温室効果ガスなどの解答も多く、問題文をしっかりと読んでいないことでの失点が合格者との得点差の1つとなった。問6は、樹木を燃料としてだけでなく建築材とすることで、二酸化炭素の貯蔵に役立たせるという内容について、グラフを利用して答える問題である。選択肢があるので正答率は比較的高かったが、呼吸と光合成の理解が深ければ、グラフも早く理解できたはずである。限られた時間内で、的確に内容を理解して答えていくためには、着実な基本事項の定着と、普段からの探求の姿勢で培われた知識が大切である。
【3】
溶解度の計算と再結晶の実験。
 問1~問4は、溶解度のグラフを読み取って計算する基本問題。ここは完答を目指してほしかったが、こちらの予想に反して、問4を210gとしている誤答が非常に多かった。おそらく、水の量が問3の1.5倍になっているので、答えも単純に1.5倍と早とちりしてしまったものと思われる。問4は問3と全く同じ計算で解けるので、このミスは非常にもったいない。また、問2でも水の量を100gとして計算してしまうというケアレスミスが多かった。基本的な問題で取りこぼさないように、注意力もしっかり養うことが大切である。
 後半は、再結晶の実験に関する問題で、やや詳しく操作を考えてもらう内容にした。問5は、ろ過の最中に温度が下がってしまうことが沈殿の原因であると気付くことがポイントであったが、多くの受験生には難しかったようである。問6は、前半の計算問題や溶解度のグラフを踏まえて考えるとヒントになったであろう。理科の実験は、原理や具体的な操作の意味を含めて理解するよう努めてほしい。
【4】
 1立方センチメートルの重さ(密度)と浮力に関する問題である。問1~問4は原点とX,Yの点を直線で結んで直線より上の物質は沈み,下の物質は浮くということに気がつけばそれほど難しくはない。問5,問6は浮力の問題でよく入試問題に出される計算問題である。力の問題は力のはたらきを理解し,つりあいの式を立てれば解けるのでしっかり本質を理解し取り組むようにしてほしい。