入試講評

平成28年度 中学入試講評

理科

理科1次 正答率・講評

問題 正答率(%)
受験者 合格者
【1】 問1 17.9 27.7
問2 68.5 72.3
問3 56.0 63.9
問4 51.2 56.6
問5 38.1 47.0
【2】 問1 29.2 33.7
問2 59.5 63.9
問3 52.7 54.8
問4 59.5 56.6
問5 36.9 26.5
問6 17.1 18.9
問7 71.4 78.3
問8 18.5 30.1
【3】 問1 61.3 76.5
問2 86.3 94.0
問3 60.7 79.5
問4 56.3 65.1
問5 46.4 60.2
問6 3.0 4.8
【4】 問1 86.3 91.6
問2 81.5 92.8
問3 95.2 100.0
問4 47.0 59.0
問5 40.5 50.6
問6 15.5 12.0
【1】
富士山噴火の歴史から見る火山の基本的な問題。プレートや岩石の特徴、さらに火山灰に関する問題については、よく勉強してきている印象を受けた。そこ以外では、問1の火山噴出物の軽石を答える問題では、よう岩という解答が多かった。文中によう岩の流れはなかったとあるので解答にはならない。そして、問5の火山が活動している証拠を答える問題については、問2でプレートに関する問題があったためか、その記述のある選択肢を選んでいる人が多かった。しかし、直接的な火山性の地震とは異なる。
【2】
生物が低温や乾燥などの厳しい日本の冬をどう過ごしているか、冬越しについての一般的な問題。全体的に、身近な環境での興味・体験が薄いように感じた。問1と問5は、ともに身近な生物の知識問題であるが、一般的によく出題される生物である。イラガが卵でなくサナギであることに注意が必要であるが、基本的な身近な生物については整理することが大切である。問6は、変温動物で冬眠しない生物としてイワナを選択できた人は多かったが、理由を正確に答えられた解答は少なかった。暖まりにくく、冷めにくいという水の性質を考えれば答えられるはずである。問8は、(イ)の解答が多かったが、本文に体が小さくと書かれているので、グラフからもツキノワグマは選択することはできない。短い時間内で難しいことではあるが、本文には解答のヒントが書かれている場合が多いので、しっかりと読み取る練習が必要である。また、身近な生物に関しても興味を持ち、意識していく姿勢も大切にしてほしい。
【3】
中和の実験に関する問題。定番的な問題だが、全体的に不慣れな受験生が多いという印象を受けた。問1を間違えた人は表の内容を読み取れていないことになるが、正答率は問1よりも問2の方が高かった。実験結果(塩酸と水酸化ナトリウムのどちらが余っているか)を正しくつかめないまま、機械的に計算をしただけの受験生が多かったということであろう。水溶液がちょうど中性になるときを求める問3の正答率もこの事実を示しており、特に大きな差が開いた。理科の本質は、実験・観察・現象の内容を理解することにある。意味を分からずにいくら計算の練習をしても、理科の勉強にはならないことを忘れないでほしい。
【4】
「ものの動くようす」の分野から、物体のエネルギーに関する問題。問1~4は、振り子を題材にして問われることが多い内容の問題だったが、「エネルギーのロスがない場合には、物体は落下し始めた位置と同じ高さまで上がること」と「物体が他の物体を運べる(仕事をする)距離は、高さに比例すること」は理解できている受験生が多かったように感じる。問4は、物体の地面からの高さをそのまま答えてしまった生徒が多くいたため、正答率が下がっていた。何を問われているか、注意して解答する姿勢が大事である。
問6が、この大問の肝である。「同じ高さから落下した物体は、どれも同じ速さに到達するが、早い段階で下部まで落下した場合の総時間は短くなる」ことまで気づけた受験生は少なかったようだ。見慣れない問いに対しても、持ちうる知識から論理的に答えを類推できるように、学習を進めてほしい。

理科2次 正答率・講評

問題 正答率(%)
受験者 合格者
【1】 問1 94.1 95.3
問2 92.7 95.6
問3 61.1 66.1
問4 55.3 65.1
問5 32.6 42.4
【2】 問1 68.1 71.9
問2 71.2 75.9
問3 42.9 47.9
問4 53.4 58.6
問5 73.1 79.3
問6 46.8 49.3
【3】 問1 97.0 98.3
問2 94.8 96.9
問3 93.7 97.3
問4 78.2 87.1
問5 44.1 56.6
【4】 問1 54.8 66.8
問2 45.4 50.2
問3 56.7 63.7
問4 59.7 59.3
問5 72.1 81.7
問6 42.9 46.1
【1】
天体(恒星・惑星・衛星)についての問題。知識の確認として出題した問1・問2ともに非常によく出来ていた。問3・問4は衛星と惑星の位置関係や時刻関係を読み取る必要があった。小学生には難しい考え方ではあると思うが、ぜひ理解して確実に得点して欲しい。問5は惑星の回転角度を求める計算問題。惑星と衛星の位置関係を理解できれば、ただの比の問題として処理できた。天体の問題を得意にするコツは、「惑星と衛星の位置関係を理解する」ことに尽きる。簡単にはいかないが、あきらめずに問題を繰り返そう。
【2】
身近なニュースを題材にした、外来種や水質汚染など環境問題についての出題である。問1・問2は基本的な知識を問う問題で、正答率は高かった。問3の記述問題は、二酸化炭素や酸素に着目してまとめた解答も多かったが、本文中に水が濁っているという記述もあることから、最大の要因は池の底に光が届かなくなることだと答えたい。日本語として不充分な解答も散見された。短い文章でもきちんと論理的にまとめる力を養って欲しい。問4以降は、選択肢の文章を落ち着いて読み解く問題。問4は(イ)を選びがちだが、外来種と在来種の交配もありうる。問6では、池の底の天日干しにより種子を取りまく環境がどう変わったかを考える。光と温度の条件が変化していることに気づければ、選択肢のうち光に関連した(ア)、温度に関連した(ウ)が選べるはずである。
【3】
 「物質を構成する最小単位は原子という粒子である」という考え方を使って質量保存の法則や定比例の法則を考える問題である。
このような原子に関する設問は以前にも出題したことがあり過去の入試問題をしっかりと解いた受験生には容易であったのではないだろうか。
単純な質量差を答える問1,二酸化炭素の製法を問う問2や二酸化炭素中の炭素と酸素の質量比を考える問3は受験者,合格者ともに高い正答率であった。
実際に原子の質量比や,酸化鉄中の鉄原子と酸素原子の組成比を考える問4,5では本文から「原子」という粒をしっかりとイメージすることができたかがポイントとなる。物質中の元素の質量比・原子数の比,原子の質量比と3つの比が出てくるが,それらの関係をうまく捉えられれば正解にたどり着くことができる。
【4】
表やグラフから法則性を見つけ、各設問との関係とを複合的にとらえられるかを問う問題である。表よりそれぞれの金属の電流の流れやすさ流れにくさ(抵抗の大小)を読み取ること。グラフより発熱量と電流の関係および断面積(抵抗の大小)と電流の流れ方の関係を読み取れることが大切である。問1は直列つなぎ、並列つなぎでの明るさを問う問題である。問2は並列つなぎでの抵抗の大小と電球の明るさとの関係を問う問題である。問3は並列つなぎと明るさの関係を問う問題である。問4は断面積の大きさと電流の流れ方の関係からグラフとの関係を考える問題である。問5はグラフの発熱量からeの発熱量になるものをグラフからさがす問題である。問6は直列つなぎと並列つなぎでの抵抗の大小による発熱量を問う問題である。
以上のように1つ1つの知識を複合的にとらえられることが大切であるので、暗記の学習だけでなく、本質をとらえた理解が大切である。

理科3次 正答率・講評

問題 正答率(%)
受験者 合格者
【1】 問1 48.1 54.5
問2 74.1 88.6
問3 90.3 94.3
問4 31.9 29.5
問5 65.9 70.5
問6 66.5 67.0
【2】 問1 40.0 39.8
問2 25.0 29.2
問3 31.9 34.1
問4 36.2 44.3
問5 82.2 88.6
問6 86.5 90.9
問7 33.0 47.7
【3】 問1 71.4 72.7
問2 56.8 61.4
問3 21.6 27.3
問4 83.2 93.2
問5 9.2 13.6
問6 37.3 47.7
問7 46.2 61.4
【4】 問1 48.6 60.2
問2 70.3 88.6
問3 63.2 83.0
問4 60.3 80.7
問5 18.4 27.3
問6 12.4 23.9
【1】
地表であたためられた空気のかたまりが上昇することによる積乱雲が生じるに関する問題。まず問1で気体が液体になる状態変化のことは凝縮というが、凝結として覚えていた受験生も多かったかもしれない。しかし、他の選択肢を見ると状態変化を知っている受験生なら問題なく解けたはずである。次に、飽和水蒸気量、雲の名称低気圧の風向き、そして自然現象に関する問題については正答率が高く、基本的事項についてよく理解していた印象であった。最後に温帯低気圧上で積乱雲が発達する場所について、予想より正答率は低かった。突然、温帯低気圧の図が出てきて対応するのに困難があったのかもしれない。
【2】
農家の屋敷林と畑などの総合問題である。全体的に、本文をしっかり理解しないでの失点が多く見うけられた。問1は防風林なので、一年中葉をつけている常緑樹を、問2は日よけなので、冬に葉を落とす広葉樹を選ばなければいけない。問題文をよく理解すれば推測できるはずである。問3は乾燥した土であることと、畑と畑の間に植える低木樹ということから考えて答えることができる。問4は薪以外の燃料であるから炭を、雑木林の利用(落ち葉を肥料として、木材をまきや炭などの燃料や椎茸栽培など)として理解していてほしい。問7の里山のように、環境に対しての内容や身近な自然などは、生活していく上での大切な内容として理解してほしいものである。
【3】
ろうそくを題材とした燃焼に関する問題。問1と問2はろうそくの炎についての知識と、炎の中に入れる物質の状況をよく考えると答えは出る。問6はそもそも空気中に最も多く存在する窒素が、燃焼に関係なくビーカー内に最も多く存在することを落ち着いて考えればよい。記述問題である問5の最も大きな理由は、二酸化炭素が溶解することではなく、酸素の消費を答えなければならず、正答率が低かった。また、同じく記述問題である問7の仕組みは、燃焼の3要素のうち何が欠けたのかを考えると解答しやすい問題であった。この問題は、目の前で起こる現象をいろいろな角度から考え、理科的な思考に繋げることがポイントであった。
【4】
ばねに関する問題で問1はグラフを書く設問。原点を通らないグラフであるという点、ばねの伸びではなく長さを問うという点が難しかったのだろう。問2、問3、問4はばねの定番問題。正答率を見ると、ここの問題を確実に解けた受験生が合格を勝ち取ったと言える。問5と問6は応用的なばねの問題。白紙の解答用紙も見受けられたので、時間的にも内容的にも厳しかったのだろうか。「定番問題を早く正確に解く」ことが合格につながることは間違いない。